「移住したい県」2年連続1位の群馬――選ばれている理由を数字で見て、その中に伊勢崎を置いてみました

群馬の平野を川と新幹線と高速道路が通るイラスト

群馬県は、東京・有楽町の移住相談の窓口で「移住したい県」の1位に、2年続けて選ばれています。

選んだのは、2025年に「ふるさと回帰支援センター・東京」の窓口で新しく相談した人たちです。移住セミナーに参加した人たちの回答では、3年続けて1位でした。

私は群馬県伊勢崎市で30年以上暮らしています。群馬がなぜ選ばれているのかを公式の資料と数字で確かめ、その中に伊勢崎を置いてみました。

目次

まず、どんな調査の1位なのか

見たのは、公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構が毎年出している「移住希望地ランキング」です(2026年2月24日発表)。

見たこと 中身
答えた人 センターの窓口で新しく相談した人と、移住セミナー・相談会に新しく参加した人(オンラインを含む)
時期 2025年1月7日〜12月26日
回答した人 27,242人(窓口の相談 13,202人・セミナー 17,481人。重なりあり)
群馬県の順位 窓口の相談で2年連続1位/セミナー参加者で3年連続1位

これは、移住を考えて相談に来た人たちのアンケートです。実際に群馬へ引っ越した人の数ではありません。東京・有楽町にある1つの窓口の数字でもあります。

それでも、移住の相談そのものは増えています。2025年の相談件数は73,003件で、前の年より18.3%増え、5年続けて過去最高でした。

相談に来ているのは、どんな人か

発表には、群馬県を選んだ相談者の様子も書かれています。

  • 相談の中心は30代の子育て世帯
  • 都内への通勤を前提にした物件探しや、都市部の家賃の高さを背景にした相談が目立つ
  • 高崎市や前橋市などの交通の便利さも、魅力になっている
  • 地震の少なさに着目して「安心安全」を求める人もいる
  • 2025年の夏からは、生成AIに相談して特定の地域を勧められ、さらに調べるために窓口へ来る人が急に増えた

受け入れる側では、県内の35市町村すべてが機構の支援会員になり、窓口に相談員3人と就職相談員1人を置き、セミナーを年間60回開いている、とも書かれています。

県が自分で挙げている強み

群馬県は、データセンターなどを呼び込むためのページで、群馬の強みを次のように書いています(群馬県「群馬県のデータセンター立地環境について」・2022年5月25日更新)。

見たこと 県の書き方
東京からの距離 東京から約100キロメートル
交通 関越・上信越・北関東・東北の各高速道路と、上越・北陸の両新幹線が通る「交通の要衝
自然災害 「地震や災害などの自然災害が比較的少なく
天気 快晴日数や日照時間は全国上位
利根川の水源県
平野部の降雪量は比較的少なく、市街地の積雪は年間で数日程度

「自然災害が比較的少ない」は、県の言葉です。地震が来ないという意味ではありません。そこで、地震の数字を確かめました。

地震の確率を、東京と並べました

防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション(J-SHIS)」で、今後30年のあいだに、その場所が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を4か所で調べました(2024年版・平均ケース・全地震)。

場所 震度6弱以上 震度6強以上
伊勢崎市役所 10.7% 0.68%
高崎市役所 13.7% 0.93%
群馬県庁(前橋市) 5.6% 0.24%
東京都庁 43.5% 7.3%

⭐ 震度6弱以上で比べると、群馬の3か所は、東京都庁の場所の3分の1から8分の1ほどの確率です。

🔴 ただし、確率が低いことは「地震が来ない」ことではありません。

  • 群馬県は2026年3月に地震被害想定を見直し、深谷断層帯・綾瀬川断層、太田断層、片品川左岸断層など6つの断層の地震を想定しています(群馬県地震被害想定調査 報告書【概要版】)。
  • このうち深谷断層帯は、高崎市・安中市・藤岡市などを通る断層帯で、M7.9程度の地震が起きる可能性があり、今後30年に地震が起きる可能性は国内の主な活断層の中で「やや高いグループ」とされています(地震調査研究推進本部・2015年4月24日)。
  • 伊勢崎市も、関東平野北西縁断層帯主部(M8.1)と太田断層(M7.1)の地震を想定した揺れやすさマップと液状化マップを出しています(伊勢崎市「地震防災マップ」)。

家や土地を選ぶときは、市町村のハザードマップで、その場所の揺れやすさと液状化を見てください。

企業も、東京の外の拠点に群馬を選んでいます

2022年8月8日、NTTは群馬県高崎市と京都府京都市に分散拠点を置き、組織を地域に分散するトライアルを始めると発表しました。2022年10月以降、経営企画・技術企画・総務の部門(一部を除く)の約200人が対象で、「レジリエンス向上の観点から」と書かれています(NTT「地域への組織分散トライアルの開始について」)。

発表の時点では「トライアル」です。本格的に実施するかは、トライアルで確かめたうえで検討する、とされています。

高崎では、93ヘクタールの街づくりが計画されています

2023年3月16日、群馬県知事と高崎市長が合同で記者会見を開きました。高崎市長は、高崎市の堤ヶ岡飛行場跡地(93ヘクタール)「世界トップレベルのスマートシティを目指した新しいまちづくり」を進めると話し、キーワードは「デジタル」「グリーン」「クリエイティブ」だと説明しています(群馬県「堤ヶ岡飛行場跡地の活用に関する知事・高崎市長合同記者会見」)。

これは計画です。知事は同じ会見で、令和10年度(2028年度)以降に造成工事に着手することを目標にしたい、と話しています。

その中に、伊勢崎を置いてみる

伊勢崎市の数字は、別の記事で市の統計冊子から読みました(→ 群馬の12市でいちばん「若い」のは伊勢崎市です)。この記事に関係するところだけを並べます。

見たこと 伊勢崎市 いつの数字・もとの調査
人口 211,850人 2020年10月1日(国勢調査)
65歳以上の割合 26.0%(群馬の12市でいちばん低い) 2023年10月1日(群馬県年齢別人口統計調査)
1日に転入する人/転出する人 26.5人/23.4人 伊勢崎市統計書 令和5年版から市が算出
製造品出荷額等 群馬の12市で太田市に次ぐ2番目 2020年実績(経済センサス)
今後30年に震度6弱以上 10.7%(市役所の場所) J-SHIS 2024年版

伊勢崎は、引っ越してくる人が出ていく人より多く、ものづくりで働く人が多い街です。

伊勢崎には、世界遺産の田島弥平旧宅があり(→ 伊勢崎市には世界遺産があります)、子どもの頃から通っている華蔵寺公園の遊園地もあります(→ 華蔵寺公園の遊園地は、子どもの頃もいまも安心して遊べる場所です)。

この話の限界

移住希望地ランキングは、東京・有楽町の窓口に相談に来た人のアンケートです。実際に群馬へ移り住んだ人の数は、この調査からは分かりません。

相談者の様子(30代の子育て世帯など)は、機構の発表に書かれた説明です。私が数えたものではありません。

J-SHISの確率は、その場所の値です。同じ市の中でも場所によって違い、建物や地盤によって揺れと被害は変わります。この記事は「群馬は災害に強い」とは言いません。

堤ヶ岡飛行場跡地の街づくりは、2023年3月時点の計画です。いまの進み具合は確かめていません。

伊勢崎の数字は、年ともとの調査がばらばらです。同じ時点にはそろっていません。

伊勢崎で暮らして思うこと

伊勢崎は、私にとって、とても住みやすい街です。

群馬が選ばれている理由として挙がるのは、東京との近さ、交通、天気、地震の確率でした。どれも県全体の話ですが、伊勢崎もその中にあります。

弊社は、この伊勢崎市にある会社です。地域の数字の読み方や、事業の伝え方のご相談はWebマーケティング・SEO支援のページ、あるいはお問い合わせからどうぞ。お返事は3日以内を目安にしています。

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