記事の出どころを読み直したら、発言した人が違っていました――公開前に照らし直して見つけた3つのずれ

記者会見の演台と資料の山、吹き出しを虫めがねで確かめているイラスト

記事の出どころを読み直したら、発言した人が違っていました。

2026年9月11日、弊社は群馬県の記事を公開しました(→ 「移住したい県」2年連続1位の群馬)。下書きを書いたあと、数字と固有名詞の出どころを1つずつ開き直したところ、直すところが3つ見つかりました。

どれも、エラーが出るような間違いではありません。読んだだけでは気づかない、主語と出どころのずれです。

目次

まず、材料です

見たこと 中身
記事 群馬県の移住希望地ランキング・県の強み・地震の確率・NTT・高崎の街づくりを書いた記事(約3,200字)
出どころ 移住の調査の発表・群馬県のページ・国の地震の資料・伊勢崎市のページ・NTTの発表・県の記者会見の記録など
リンク 13本
やったこと 下書きのあと、引用した言葉と数字を、出どころのページで1つずつ照らした

直したこと1:「県が示した」ではなく「市長が話した」

下書きでは、高崎市の堤ヶ岡飛行場跡地について、「群馬県は『世界トップレベルのスマートシティ』を目指すと示しました」と書いていました。

出どころは、群馬県のホームページにある2023年3月16日の記者会見の記録です。題名を確かめると、「知事・高崎市長合同記者会見」でした。そこで、誰がどの言葉を話したのかを読み直しました。

言葉 話した人
「世界トップレベルのスマートシティを目指した新しいまちづくり」 高崎市長
キーワードは「デジタル」「グリーン」「クリエイティブ」 高崎市長
93ヘクタール 高崎市長
令和10年度以降に造成工事に着手することを目標にしたい 知事

県のホームページに載っていても、県の言葉とは限りません。公開した記事では、発言ごとに話した人を書き分けました。

直したこと2:ニュースではなく、会社の発表文へ

NTTが高崎市に拠点を置いた話は、はじめニュースサイトの記事を出どころにしていました。

NTTのホームページで発表文そのものを探すと、題名は「地域への組織分散トライアルの開始について」(2022年8月8日)でした。

下書き 発表文を読んで直した書き方
本社機能の一部を分散する 分散拠点を置き、組織を地域に分散するトライアルを始める
10月から 2022年10月以降
出どころ=ニュースサイト 出どころ=NTTの発表文

発表文には、トライアルで確かめたうえで本格的な実施を検討する、とあります。「トライアル」の一語を落とすと、決まったことのように読めてしまいます。

直したこと3:同じ「東京都庁」でも、確率が変わった

地震の確率は、防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション(J-SHIS)」で、場所を指定して調べました。

下書きの前に調べたときの東京都庁の値と、記事を書くために調べ直した値が、47.4%と43.5%で違いました(今後30年に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率)。

J-SHISの値は、地図を細かい区画に分けた、その区画ごとの値です。同じ「東京都庁」でも、指定した緯度・経度が少しずれると、隣の区画の値になります。1回目は、指定した緯度・経度を控えていませんでした。

⭐ 公開した記事では、緯度・経度を控えて取り直した値だけを使い、記録にも緯度・経度を残しました。

書かないと決めたこと

出どころを読み直した結果、書かないことにしたものもあります。

書かなかったこと 理由
「群馬は災害に強い」 言い切れない。県の言葉(「自然災害が比較的少なく」)を引用する形にとどめた
伊勢崎市で想定される震度 県の報告書では地図の画像で示されていて、文字で確かめられなかった
経済の全国順位 県のページに、何を数えた順位なのか(民間の事業所か、すべての事業所か)が書かれていなかった

また、移住希望地ランキングの1位は、移住の相談窓口に来た人のアンケートの結果です。実際に引っ越した人の数ではないことを、本文と「限界」の両方に書きました。

3つに共通していたこと

ずれ どこで起きたか どう見つけたか
話した人 記者会見の記録を「県の発表」とまとめた 記録の題名と、発言の前の名前を読んだ
決まり具合 ニュースの記事を出どころにした 発表した本人の文を探した
調べた条件を控えていなかった 条件を控えて取り直した

どれも「まとめた人の言葉」を、「元の人の言葉」として書きかけていました。数字が合っていても、主語や条件がずれていれば、読む人には違う話として伝わります。

この話の限界

記事1本で見つけた3つです。ほかの記事でも同じずれが起きるとは限りませんし、ほかの種類のずれもあるはずです。

出どころを開き直しても、出どころそのものが間違っていれば見抜けません。

1回目の47.4%をどの緯度・経度で取ったのかは、控えが無いので確かめられません。

公開する前に、出どころを開き直す

弊社は、記事を公開する前に、数字と固有名詞と引用を、出どころのページで照らし直すことにしています。今回の3つは、その手順で見つかりました。

記事を1本出すまでの工程は、ほかの記事にも書いています(→ 記事を1本出すまでに、17の段があります)。

記事の作り方や、確かめる手順づくりのご相談は、Webマーケティング・SEO支援のページ、あるいはお問い合わせからどうぞ。お返事は3日以内を目安にしています。

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