AIの画像生成は、指示を黙って破ります――14枚のうち2枚で「人」と「文字」が入っていました

機械から出てきた額縁の列を、虫めがねと定規で確かめているイラスト

AIの画像生成は、プロンプトに書いた指示を、黙って破ることがあります。

弊社は、記事のアイキャッチ画像をAIで作っています。2026年9月10日、7つの画像生成AIに同じ題材で14枚を作らせたところ、「16:9で」「人を入れない」「文字を入れない」という指示が、エラーも出ずに破られていました。

この記事では、何が起きたのかと、弊社が作ったあとに毎回見ている3つのことを書きます。

目次

まず、材料です

7つの作り手に、同じ題材(ドローンを飛ばせるかは3つで決まる/島の海岸)を、2つの方向で頼みました。作り手の差だけが出るように、題材はそろえています。

見たこと 中身
作り手 Nano Banana Pro/GPT Image 2/FLUX1.1 Pro Ultra/Seedream 3.0/Recraft V3/Ideogram V3/Qwen Image の7つ
方向 A=フラットなイラスト(ブランドの3色)/B=写真調の空撮
枚数 14枚(7つ×2方向)
日付 2026年9月10日

破られた指示は、3つありました

1. 「16:9で」と頼んでも、違う形で返ってくる

Ideogram V3とQwen Imageは、16:9と指定しても、1:1(1024×1024)や4:3(1024×768)で返してきました。エラーは出ません。

縦横の比率を指定する項目(aspect_ratio)ではなく、画像の大きさを指定する項目(image_size)で渡すと、16:9になりました。

⭐ 気づけたのは、作ったあとに縦横の比率を機械で数えたからです。目で見ただけでは、少し横長か正方形かを取り違えます。

2. 「人を入れない」と書いても、人が写る

Qwen Imageで作ったイラストの右下に、人が小さく写っていました。プロンプトには「No people, no faces」と書いていました。

3. 「文字を入れない」と書いても、透かしのような文字が入る

Seedream 3.0で作った写真調の画像の左下に、透かしのような文字が入っていました。「no text, no logos」と書いていました。

拡大しないと気づかない濃さでした。暗いところに薄く入るので、全体を眺めただけでは見落とします。

🔴 14枚のうち2枚で、「人」か「文字」の指示が破られていました。比率を無視したものは、これとは別です。

もう1つ:「フラットな絵で」と頼んでも、写真で返す

Recraft V3は、フラットなイラストの方向(A)で頼んでも、写真調で返してきました。指示を破ったというより、その作り手の性質に近いものです。

作ったあとに、毎回見ている3つのこと

この結果から、弊社はアイキャッチを作るたびに、次の3つを確かめています。

見ること どう見るか
① 縦横の比率 機械で数える(横÷縦が1.78前後か)
② 四隅の透かし 四隅を切り出し、コントラストを上げて目で見る
③ 人が写っていないか 全体を目で見る

プロンプトに書いたことと、返ってきたものは別です。書いたから守られている、とは考えません。

この3つは、2026年9月11日に公開した群馬県の記事のアイキャッチでも確かめました。このときは、2枚とも1376×768(比率1.792)で、四隅に透かしも人もありませんでした。守られていたことも、見て初めて分かります。

弊社が使う作り手を、7つから2つに絞りました

14枚を並べたうえで、弊社は使う作り手を決めました(2026年9月10日)。

作り手 理由
主に使う Nano Banana Pro 何を描いているかが読める・色がブランドどおり
質感を変えたいとき FLUX1.1 Pro Ultra 版画のような柔らかさ
使わない Seedream 3.0/Qwen Image/Recraft V3/Ideogram V3 透かし/人の写り込み/写真で返す/何を描いているかが読みにくい

使わない作り手も、道具からは消していません。消すと「なぜ使わないのか」が分からなくなり、また同じことを試すことになるからです。

🔴 空撮の会社として、使わないと決めた画像

写真調(B)の空撮画像は、実際にドローンで撮った写真と見分けがつきませんでした。

弊社はドローン空撮の会社です。AIで作った空撮写真を、実績や作品のページには使いません。そこに載っている写真は、弊社が撮ったものだと読まれるからです。

この話の限界

14枚だけの結果です。同じ作り手でも、プロンプトや日によって結果は変わります。「この作り手はいつも破る」とは言えません。

2026年9月10日時点の、画像生成サービス(fal.ai)経由での結果です。作り手の版が変われば、ふるまいも変わります。

透かしや人が、なぜ入ったのかは確かめていません。

AIに任せるところと、人が見るところ

AIの画像生成は、アイキャッチを作る時間を大きく減らしてくれます。そのうえで、返ってきたものを見るのは、使う側の仕事だと考えています。

AIを実務に使うときの確かめ方は、ほかの記事にも書いています(→ AIにやらせた仕事は、AIに確かめさせても意味がありません)。

AIを使った制作や、確かめ方の仕組みづくりのご相談は、お問い合わせからどうぞ。お返事は3日以内を目安にしています。

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