薬機法のチェックを5巡しました――115件が265件になりました

網目の細かさが違う5段の網が並び、下の段ほど琥珀色の粒が多く引っかかっている図

薬機法の表現チェックは、1回では終わりませんでした。

ある商材の記事16本を点検したとき、同じ記事を5巡して、見つかった箇所は115件から265件になりました。そのうえ、画像が10枚別に出てきました。

🔴 1巡目で「終わった」と報告していたら、150件を見落としたまま出していたことになります。

何を見落としていたのかを、巡ごとに書きます。

目次

材料:5巡の記録

件数 何を見落としていたか
1巡目 115 ——(最初の検出)
2巡目 205 数える単位が細かすぎた
3巡目 231 主語のない台詞
4巡目 265 🔴 ボタンの中の文字
5巡目 +画像10枚 🔴 画像の中の文字と数値

それぞれ、何が起きていたのか

2巡目:数える単位が細かすぎた(115 → 205)

最初は「文の断片」を1件として数えていました。そうすると、範囲が重なったり、同じ場所が2回出てきたり、直したつもりで消し残しが出たりします。

単位を「要素」に変えました。段落・箇条書きの1項目・見出しを、それぞれ1件とする形です。

数え方を変えただけで、90件増えました。増えたのではなく、最初から在ったものが、数え方のせいで見えていなかったのです。

3巡目:主語のない台詞(205 → 231)

「〇〇には△△が良いとされています」のように、誰が言っているのか書かれていない一文が残っていました。

書いた側は一般論のつもりでも、読む側は「専門家が言っている」と受け取ることがあります。主語が無いぶん、かえって権威があるように読めてしまう。

これは禁止語の一覧では引っかかりません。使われている単語は、どれも普通の言葉だからです。

4巡目:ボタンの中の文字(231 → 265)

🔴 本文だけを見ていました。

ボタンのラベル、リンクの文字、画像に添えた短い説明。「本文」だと思っていない場所に、同じ表現が入っていました。

読者にとっては、本文もボタンも同じ「そのページに書いてあること」です。こちらの都合で分けていただけでした。

5巡目:画像の中(+10枚)

🔴 画像の中の文字は、テキストの検索では絶対に出てきません。

グラフの数値、before/afterの並べ方、白衣の人物。どれだけ本文を丁寧に直しても、画像がそのままなら、ページとしては直っていません。

やり方は1つだけです。全部の画像を一覧にして、目で見ます。ここは機械に任せられませんでした。

🔴 最後の2巡は、人の指摘でした

ボタンと画像に気づいたのは、こちらではありません。関わっていた方から「ここは見たのか」と言われて分かりました。

3巡目まで来ると、「もう出尽くした」と思います。件数の増え方が鈍るからです。115→205は大きく増えるので疑いますが、231→265は「まあこんなものか」と思ってしまいます。

数字が落ち着いてきたことは、終わった証拠ではありません。自分の見ている範囲の中で落ち着いただけです。

線の引き方

1. 和らげるのではなく、削除する

これがいちばん大事な決めごとです。

怪しい表現を見つけたとき、多くの場合はやわらかい言い方に置き換えようとします。断定を避ける、語尾をぼかす、「〜と言われています」を付ける。

🔴 そうしません。証明できないことは、書かずに消します。

やわらげた表現は、読む人には同じ意味で届きます。言い方だけ変えて中身が残っているなら、線を越えていることに変わりはありません。それに、和らげた文は誰の役にも立ちません。断定できないなら、その主張自体が要らないということです。

2. 面をまたいで、強めない

本文で「サポート」と書いているなら、よくあるご質問でも、画像の中でも、それ以上に強くしません。

ページが分かれていると、ここが崩れます。本文は慎重に書いたのに、Q&Aで踏み込む。画像で断定する。読む人にとっては、全部ひとつの主張です。

3. 区分が分からないときは、いちばん厳しい基準を当てる

同じ言葉でも、その商品がどの区分かで、書ける範囲が変わります。

区分がはっきりしないときは、いちばん厳しい基準で書きます。あとから緩めるのは簡単ですが、出したあとに厳しくするのは、直す先が増えてからになります。

4. 元の資料に無いことは、足さない

数値・実績・研究の話は、公式の記載か、お客様の声か、商品側の資料か——どれかに必ず元があることを条件にしています。

ここはAIに書かせるときに、いちばん起きます。それらしい数字や研究の名前は、いくらでも出てきます。元の資料に無い数字が入っていないかは、毎回突き合わせます。

この話の限界

🔴 弊社は法律の専門家ではありません。最終的な判断は、必ず人が行います。

こちらがするのは、危ない表現を勝手に消すことではありません。「ここが危ないかもしれません」と印を付けて、一覧にして挙げるところまでです。消すか残すかを決めるのは、責任を持つ方です。

265件も、「見つかった数」であって「あった数」ではありません。6巡目をやれば、また出るかもしれません。そこは確かめていません。

基準は変わります。いま通っている表現が、来年も通るとは限りません。台帳に残しているのは、直した結果だけでなく「何を根拠に、そう判断したか」です。基準が変わったとき、根拠が残っていないと、全部やり直しになります。

弊社の考え方

チェックは、最後にやる工程ではありません。

書き上がったものを点検して直す形だと、5巡が要ります。しかも直すたびに、文章の骨組みが崩れます。言えないことを前提に組み立てた文章と、書いたあとから削った文章は、読んだときの強さが違います。

ですので、書く前に線を決めます。この商品では何が言えて、何が言えないのか。それを先に決めてから書けば、5巡は要りません。

そのぶん、他社と似た表現になります。言える範囲が同じだからです。だからこそ、表現の強さではなく、数と速さで差をつけるという考え方をしています。

工程については別に書いています(→ 記事を1本出すまでに、17の段がありますAIにやらせた仕事は、AIに確かめさせても意味がありません)。ご相談はインターネットマーケティングのページ、あるいはお問い合わせからどうぞ。

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