生成AIの導入支援を探すと、環境の構築、道具の選定、社員研修、活用事例の紹介といったサービスが多く見つかります。どれも必要なものです。
弊社も生成AIの導入をお引き受けしますが、最初に決めるものが少し違います。道具を選ぶ前に、人とAIの「役割の分け方」を決めます。この記事では、その分け方の中身と、弊社の生成AI導入支援の進め方を書きます。
道具から始めると、つまずきやすい所
弊社の代表は自分の事業で、Claude Code という AI の道具を中心に、記事・サイト・動画・広告・経理まで、毎日の仕事を AI と回しています。その中で、道具を先に入れて後から使い方を考えると、同じ所でつまずくことが分かってきました。
- AIが作ったものを、誰がどこまで確かめるのかが決まっていない
- 会社の決まりを毎回AIに説明し直している
- 一度困ったことが記録に残らず、同じ所でまた止まる
- 決まりを人が書き続ける前提になっていて、忙しくなると更新が止まる
どれも、道具の性能の問題ではありません。人とAIの持ち場が決まっていないことから起きています。
役割の分け方:5つの持ち場
弊社が土台にするのは、次の5つの持ち場です。
1. 決める(人)
社長や担当者は、困りごと・やりたいこと・違和感を言葉にして、決めます。お金、送信、契約のボタンを押すのも人です。
2. 作る・確かめる(AI)
AIは案を出し、手順や小さな道具(プログラム)を作り、実物で確かめます。作ったものの置き場所を決めて、記録するところまでが持ち場です。
3. 覚えておく:決まり(決まりの文書)
会社の決まり、話し方、してはいけないことを1枚の文書に書いておきます。AIは仕事を始める前に、これを読むように据え付けます。会社の決まりを毎回説明し直す手間が、大きく減ります。
4. 覚えておく:記録(記録のフォルダ)
困ったことと直し方、使っている道具の一覧、仕事の経緯を残します。一言「記録して」と言えば、行き先はAIが決まりに沿って選びます。
5. 見張る(点検の道具)
リンクが切れていないか、一覧が止まっていないか、といった崩れを決まった時刻に確かめて、異常だけを知らせます。毎朝の点検を入れるかどうかは、御社が選べます。
人は決めて確かめ、手を動かすのはAI、忘れないのは仕組み。この分け方にしておくと、人が全部を覚えておく必要がなくなります。ただし、数字や固有名詞が原本と合っているか、外に出してよいかの最後の確認は、人に残ります。
困ったことを、仕組みに変えていく
役割を分けたうえで、次の回し方を続けます。
- 困ったら、まず記録する
- 同じことが2回起きたら、決まりか道具にする
- 直したら、実物で確かめる
- 確かめた結果を、また記録する
弊社では、こうしてたまった「作業の知恵」が、通し番号で790を超えました(2026年10月時点)。決まりの文書も、人が書き続けているわけではありません。弊社では、司令塔になる文書に「細かい中身は、各仕事の決まりの文書に任せる」と一行書いたあと、仕事ごとの決まりはAIが仕事を始める支度として作り、仕事をしながら育ててきました。
弊社の生成AI導入支援の進め方
1. 役割の分け方を決める
御社のやりたいことと困りごとを伺い、5つの持ち場を御社の仕事に当てはめます。誰が決め、誰が確かめるかを、最初に言葉にします。
2. フォルダと決まりの文書を一緒に作る
御社のパソコンに、決まりの文書と記録の置き場所を作ります。最初から全部は入れず、AIの聞き取りを受けながら、採用するか、あとにするかを御社が選んでいきます。
3. やりたいことを一つずつ足す
記事、動画、広告、サーチコンソールの点検など、御社がやりたいことを一つずつ足していきます。足すたびに、その仕事の決まりと記録が増えていきます。
4. 困ったら、画面を見ながら一緒に直す
使っていて止まったときは、画面の画像を送っていただき、AIへの頼み方を一緒に考えます。直し方そのものより、次に自分で頼めるようになることを目指します。
使うAIは、Claude Code だけで始める形と、ChatGPT の有料プランをお使いの会社向けに Codex を点検役として組み合わせる形があります。どちらがよいかは、同じお題で試して決めます。
弊社は、抜けることを前提にお引き受けしています(ご一緒するかたち)。生成AIの導入支援でも、御社の中で回り始めるところまでを目指し、仕組みを残してお渡しします。
向いている会社
「この仕事をAIで回したい」「弊社と同じようなことを、自社のこの業務でやりたい」といった、やりたいことがはっきりしている会社に向いています。個人で事業をされている方も同じです。何から始めるかが決まっていない段階でも、最初のご相談で一緒に整理します。
まとめ
生成AIの導入支援で、弊社が最初に決めるのは、道具ではなく役割の分け方です。人は決める、AIは作って確かめる、決まりと記録は仕組みが覚え、点検の道具が見張る。そのうえで、困ったことを記録し、2回起きたら仕組みにする。この形を御社に合わせて据え付け、御社の中で回せるようになることを目指してお渡しします。
生成AIの導入や、AIに任せる仕事と人が持つ仕事の分け方について、ご相談いただけます。お問い合わせからお気軽にどうぞ。

