お客様の事例をもとにした資料を、社外に出す場面は少なくありません。研修の教材、提案書の参考例、セミナーの資料。そのたびに、会社名や数字を伏せる「匿名化」の作業が入ります。
この作業は、AIに手伝わせることもできます。私の事務所でも、AIの手を借りて進めています。ただ、10月に一度、名前を全部伏せて機械の確認も通った資料が、最後の確認で止まりました。この記事では、その経験から、社外に出す資料の匿名化で、会社として決めておきたい確認の段取りを書きます。
名前を伏せても、組み合わせで分かることがある
止まったのは、取引先の広告運用で得た知見をまとめた手順書でした。1本ごとに、会社名・商品名・実際の数字を伏せ、名前や社名が残っていないかを機械で数えても、残りは0件でした。
ところが、経緯を知らないAIに全体を読ませると、組み合わせから会社が推測できる、という指摘が返ってきました。
名前は一つの手がかりにすぎません。読む人は、いくつもの手がかりを組み合わせて読みます。名前を消しても、手がかりが積み重なれば、元の会社は見えてしまいます。
機械の確認だけでは、足りない理由
数える仕組みが見ているのは、挙げておいた語だけです。0件は、推測されないことの証明にはなりません。組み合わせから分かってしまうかどうかは、別の確認が要ります。
社外に出す資料の、確認の段取り
1. 伏せる作業と、伏せた一覧を残す
何を伏せたかの一覧を残しておくと、確認する人が抜けを見つけやすくなります。
2. 機械で、残りを数える
伏せた言葉が残っていないかを数えます。これは最低限の確認です。
3. 経緯を知らない目で、全体を通して読む
作った担当者は、何を伏せたかを知っているため、読み手の立場に立ちにくくなります。作成に関わっていない人か、経緯を渡していないAIに、資料全体を続けて読ませ、元の会社や人が推測できないかを確かめます。社外に出す資料は、この段を通らなければ出さない、と決めておくのがおすすめです。
推測できると分かったら、例を入れ替える
組み合わせで分かると指摘されたら、例の差し替えを含めて、どう直すかを担当者が決めます。直したあとにも、もう一度、全体を通して読む確認をしてから社外に出す、という順にしておきます。
まとめ
資料の匿名化は、1本ずつ名前を伏せるだけでは足りないことがあります。伏せた一覧を残し、機械で数え、最後に経緯を知らない目で全体を通して読む。推測できると分かったら、例を架空のものに入れ替える。この段取りを社内で決めておくと、お客様の情報を守りながら、事例を活かしやすくなります。
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