AIチャットボットの作り方――自社の2つのサイトに3人置いて、1回いくらかかるかを測りました

AIチャットボット(案内係)の画面

ホームページにAIのチャットボットを置きたい。でも、どう作ればいいのか、いくらかかるのか、変なことを答えないか。

この3つは、私も作る前にいちばん気にしていたことです。

いま、このサイトの右下には、私の顔をもとにしたキャラクターの「河内の案内係」がいます。2026年10月12日に置きました。琴音プロジェクトのサイトにも、同じ仕組みで動く案内係が2人います。この記事では、この3人をどう作ったかを、作り方、答えさせないことの決め方、費用、点検のしかたの順に書きます。

先に結論だけ書きます。

作り方は、4つの部品に分けて考えると見通しが立ちます。費用は、1回の質問でおよそ1〜2円でした。ただし、作りによっては一桁変わります。そして、いちばん時間がかかったのは作ることではありません。「何を答えさせないか」を決めることと、別のAIに点検させることでした。

目次

このサイトの右下にいる案内係

右下に浮かぶ案内係の顔(左)と、押すと開く会話の窓(右)

顔を押すと、ページの中で会話の窓が開きます。

河内の案内係ができることは3つです。

  • サイトに書いてあること(記事84本と、料金・依頼の流れ・実績などのページ)をもとに答える
  • ドローン空撮やマーケティングの相談を1つずつ聞いて、最後に「相談メモ」にまとめる
  • そのメモをコピーして、お問い合わせのフォームに貼れるようにする

相談の聞き取りが始まったところ(左)と、言葉の意味に答えたところ(右・琴音のサイトのことは)

琴音プロジェクトのサイトには、連載の記事と言葉の意味に答える「ことは」と、特典のページの案内をする「ゆいか」がいます。3人とも、中で動いているAIは同じです。

AIチャットボットの作り方は、大きく3通り

AIチャットボットの作り方は、大きく3通りに分かれます。

1つ目は、ノーコードのツールで作る方法です。ChatGPTのGPTsやDifyのように、画面で資料を読み込ませて、指示を書けば動きます。いちばん早く始められます。ただし、自社のサイトの右下に置けるかどうかは、ツールによります。

2つ目は、AIのAPIを使って自分で作る方法です。APIは、自分で作った仕組みからAIを呼び出すための入口です。使った分だけ料金がかかります。

3つ目は、チャットボットの会社のサービスを契約する方法です。月額の料金で、設置から運用までを任せられます。

私が選んだのは2つ目です。理由は3つありました。

  • 答えてよいこと、答えてはいけないことを、細かく決めたかった
  • サイトの見た目に合わせて、窓や声まで自分で作りたかった
  • 会話の中身をどこに残すか、残さないかを、自分で決めたかった

作ったのは、Claude Code(パソコンで動くAIの相棒)です。プログラムはClaude Codeが書きました。私は、何を作るか、何を答えさせないかを決めて、出来上がったものを確かめる側に回りました。

作り方:4つの部品

チャットボットは、4つの部品に分けると分かりやすくなります。

1. 窓(ページに置く部品)

右下の顔と、押すと開く会話の窓です。WordPressのページには、読み込みの1行を足すだけにしました。窓の本体はサーバーに置いてあるので、直したいときは本体を1か所直せば、全部のページに届きます。

2. 中継役(AIに取り次ぐプログラム)

窓に打ち込まれた質問を受け取って、AIに渡し、返事を窓に返すプログラムです。サーバーの上で動きます。

ここを挟む理由は、AIを呼び出すための鍵(APIキー)を、見ている人のブラウザに出さないためです。鍵がブラウザに出ると、誰でも同じ鍵でAIを呼び出せてしまいます。

3. 知識(AIが答えるときに読むもの)

AIに渡す「答え方の約束」と「サイトに書いてあること」です。

記事は84本あるので、全文を毎回渡すと高くつきます。そこで、記事ごとに短い要約を作り、ふだんはその要約で答えるようにしました。AIに渡す知識は、その要約と公開中のページから、道具で組み立てます。記事を足したら、要約を1本書き足して、道具を回し直します。

要約はAIに作らせましたが、そのまま信じてはいません。要約の中の数字やカタカナの言葉が、本文に本当にあるかを機械で照らしました。そのうえで、別のAIに本文と1本ずつ見比べさせています。機械の照らし合わせは全部通ったのに、見比べると、84本のうち9本で、言い過ぎや条件の落としが見つかりました。

さらに2026年10月14日からは、細かいことを聞かれたときだけ、その記事の全文を読みにいく形にしました。読めるのは、このサイトに出している記事だけです(題にお客様の名前が入るものは除いています)。1回の質問で読むのは3本までにしています。

4. 1日の上限(財布の守り)

AIは使った分だけ料金がかかります。いたずらで何百回も呼ばれても困らないように、1日に始められる会話の数と、同じ人が送れる回数に上限を付けました。上限は、AIを呼び出す前に必ず通る場所に置いています。

いちばん時間をかけたのは「答えない線」

作ってみて分かったのは、AIは聞かれたことに答えようとする、ということです。答えられないことでも、それらしく答えてしまうことがあります。だから、何を答えさせないかを、先に文章で決めました。河内の案内係の約束から、いくつか挙げます。

  • 料金は、料金のページに書いてある金額と条件だけを、そのまま答える。合計は出さない
  • 「この場所でドローンを飛ばせますか」には、自分で判定しない。住所をお知らせいただければ事前に調べる、と伝えてお問い合わせへ回す
  • お客様の社名や担当者の名前は言わない
  • 薬機法・法律・税金・医療の個別の相談には答えない
  • 河内本人のふりをしない。AIだと聞かれたら、AIだと答える

AIのモデルも、この線で決めました。先に作った琴音のサイトの案内係で、同じ20問を試したところ、軽いモデル(Haiku 5.5)は費用が約20分の1でした。それでも、「担当からお返事します」という、事実と違う一言を1回足しました。案内係にとって、言っていない約束を足されるのがいちばん困ります。なので、費用が高くても、約束を全部守った方(Sonnet 5.5)に決めました。

会話の中身も、サーバーには残していません。相談メモも、見ている人の画面の中にだけあります。

費用:1回いくらかかったか(実測)

ここで書く金額は、運営している私の側にかかるAIの費用です。話しかける人には、お金はかかりません。

使っているのは、Anthropic社のClaude APIです。モデルは3人ともSonnet 5.5にしています。Claude APIの料金は、AIに読ませた量と書かせた量で決まります。1ドル150円で計算して、1回の質問あたりに直すとこうなりました。

  • 河内の案内係:およそ1〜2円
  • ことは(琴音プロジェクトのサイト):およそ1.5円
  • ゆいか(特別特典のページ):最初の1問がおよそ33円、続けて聞くと1問およそ3円

3人とも中のAIは同じなのに、ゆいかだけが一桁高くなっています。違いは、毎回どれだけ読ませているかでした。ゆいかは、特別特典のページの全文、およそ9万字を質問のたびに持っています。河内の案内係とことはが持っているのは、記事ごとの要約と、料金などの中心になるページです。

最初の1問だけが高いのは、最初に読み込んだものを、しばらく取っておけるからです。続けて聞かれたときは、取っておいた分を使うので安くなります。

記事の全文を読みにいった質問は、今回試した範囲で1問3〜4円ほどでした。ふだんは要約で答え、必要なときだけ全文を読む。こうすると、細かい質問に答えられて、費用はあまり上がりません。

AIチャットボットの費用は、使うAIの種類より、毎回どれだけ読ませるかで大きく変わります。作る前に考えておくと、あとで困りません。

月の費用は、上限で止まるようにした

月にいくらかかるかは、話しかけられた回数で決まります。読めないものに備えるより、先に止まる所を決めておく方が安心です。案内係は1日に始められる会話の数に上限があるので、たくさん使われても、費用はそこで止まります。

私の場合は、使っているClaudeのプラン(Max 20x)に、毎月200ドルのAPIクレジットが付いています。いまは、その中で動いています。

点検は、別のメーカーのAIに

ここまで何度も「直した」と書きました。直す前には、まず見つけなければなりません。

AIが作ったものを、作ったAIと同じAIに確かめさせると、作ったときと同じところを見落とすことがあります。そこで2026年10月12日から、確かめる役を、OpenAIのCodexに頼むようにしました。Claude Codeに「これチェックして」と言うと、Codexが点検して指摘を返してくる。そう頼めるように、自分でつないであります。Codexには読むことしかさせない設定なので、ファイルは書き換えません。指摘にはClaude Codeが見立てを添え、どれを直すかは私が決めます。

AIの仕事をAIに確かめさせるときの落とし穴は、AIにやらせた仕事は、AIに確かめさせても意味がありませんにも書きました。

最初の点検(先に作った琴音のサイトの案内係)で見つかったのは、こんな不具合でした。

案内係の返事が800字を超えると、その次の質問が必ず断られる。

作ったClaude Codeも、私も気づいていませんでした。長く答えたあとに続けて聞く、という使い方をしないと出てこない不具合です。

その後も、直すたびに点検をかけています。音のボタンの直しで4件、マイクを付けたときに7件、記事の全文を読む形にしたときに8件の指摘がありました。マイクの指摘には、こんなものがありました。

  • 声で入力している途中に手で直すと、直した文字が消える
  • 声の入力中に「送る」を押すと、送った文が入力欄に戻ってくる

どちらも、使う人の側に立たないと気づきにくいところです。

採るかどうかは、毎回1件ずつ決めています。指摘の中には、すでに別の守りがあって直さなくてよいものや、手間に見合わないものもあります。直さないと決めたものは、理由を書き残しました。

作って分かったこと:サイトの食い違いが4つ見つかった

チャットボットに「サイトに書いてあることで答えて」と頼むには、まずサイト全部を読ませる必要があります。読ませてみたら、同じことを、ページによって違う言い方で書いているところが4つ見つかりました。

  • お支払いの時期
  • 納期
  • 飛行時間
  • 「事故0件」の書き方

多くは書いた時期の違いで、1つは前に直したときの直し漏れでした。ただ、案内係はそのまま両方を答えてしまいます。そこで、どちらが正しいかを記録で確かめ、いちばん新しい私の言葉にそろえました。

サイトの数字が少しずつずれていく話は、サイトにしか無い数字は、いつかずれますに書いています。

チャットボットを作ることは、サイトの棚卸しにもなります。何年も継ぎ足してきたサイトほど、この効き目は大きいと思います。

声とマイク

窓を開くと、案内係があいさつを声で話します。河内の案内係の声は、私の声をもとにAIで作った声です。窓には「AIで作った河内の声」と書いてあります。

この声が「案内係」を「あんないかかり」と読んでいたことがありました。文字に起こす道具で確かめても、どちらの読み方でも「案内係」と漢字で書かれるので、見分けがつきません。台本をかなで書き直し、聞こえたとおりにひらがなで書き起こすAIで確かめ、最後は私の耳で聞いて直しました。

入力欄の横には、マイクのボタンもあります。声を文字にするのは、見ている人のブラウザの機能です。声はサーバーに届きませんし、残りもしません。文字になったあと、送るかどうかは本人が決めます。

よくある質問

AIチャットボットは無料で作れますか?

ノーコードのツールには、無料で始められるものがあります。この記事のようにAIのAPIで作る場合は、使った分だけ料金がかかります。河内の案内係では、1回の質問でおよそ1〜2円でした。

AIチャットボットを自作するには、何から始めればいいですか?

まず、「何に答えさせるか」と「何は答えさせないか」を、文章で書き出すことをおすすめします。作り方を選ぶのは、そのあとで十分です。

費用は、毎月いくらくらいかかりますか?

話しかけられた回数で決まります。続けて聞かれる分が1回1〜2円なら、1,000回で1,000〜2,000円ほどです。会話の最初の1問は、もう少しかかります。知識を丸ごと渡す作りだと、1回の費用は一桁上がることがあります。

ChatGPTとは何が違いますか?

ChatGPTは、何でも聞ける汎用のAIです。ホームページのチャットボットは、そのサイトに書いてあることだけで答え、答えない線も決めてあります。役目が違います。

間違ったことを答えませんか?

答えることがあります。だから、答えない線を先に決め、試験の質問を20問ほど投げて確かめ、別のAIに点検させています。それでも、完全にはなくせません。大事なことは、お問い合わせで確かめていただく作りにしています。

まとめ

AIチャットボットの作り方は、ツールで作る、APIで自作する、サービスを契約する、の3通りです。私はAPIで自作しました。部品は、窓・中継役・知識・1日の上限の4つです。費用は1回1〜2円ほどで、毎回どれだけ読ませるかで大きく変わりました。

作るのは、思っていたより早く終わりました。時間がかかったのは、何を答えさせないかを決めることと、別の目で点検することです。

右下の顔を押すと、河内の案内係に話しかけられます。ホームページにチャットボットを置いてみたい方は、相談メモを作って、そのままお問い合わせ・見積依頼のフォームに貼ってみてください。

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この記事を書いた人

クリュープラス株式会社 代表取締役。群馬県伊勢崎市を拠点に、ドローン空撮とWebマーケティングを行っています。一等無人航空機操縦士。2016年から沖縄の離島を中心にドローンを飛ばし、飛行は200時間以上、事故はありません。Kindleで『言葉が変われば、単価は変わる』と写真集『青と白と緑』を出版。YouTube「drone islands」で、空から撮った日本の景色を公開しています。

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