Claude Code でアプリ開発をする前に――点検に通ることと、仕事で使えることは別だった

社内の手作業を、AIでアプリにしてしまいたい。そう考えたことのある方は、少なくないと思います。Claude Code を使えば、画面のある Web アプリも、日本語で頼んで形にできます。

そのぶん、見落としやすくなったことがあります。作ったアプリが、本当に仕事を楽にするのかどうかです。

私は先日、ドローンを飛ばす人向けに、飛行計画をまとめる Web アプリを Claude Code で1本作りました。別のAIに3回点検させ、指摘を受けて直しました。そして、実際に使ってみたその日に、出すのを見送りました。この記事では、その経緯と、会社で Claude Code にアプリ開発を任せるとき、頼む前と採用する前に誰が何を確かめておくかを書きます。

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作ったのは、飛行計画をまとめるアプリでした

私自身もドローンで空撮をしています。飛ばす前には、空の決まり、場所の管理者、近くの施設などを確かめ、計画を立てます。

この計画づくりを、ドローンを飛ばす人が自分で使える Web アプリにしようと考えました。9つの画面で、地図の上に飛行範囲を描き、根拠となる決まり、問い合わせ先、当日の段取りを入れていくと、印刷できる計画書が1冊できあがる。入力した計画は使う人の端末の中だけに保存し、許可の要否を判定する機能は持たせていません。

3回の点検で上がったのは「壊れにくさ」

開発には Claude Code を使い、出来上がったものの点検は、別の会社のAIである OpenAI の Codex が担当しました。点検の相手は回ごとに、アプリ本体、作りの考え方、共通にした部品と少しずつ違います。

指摘の数は、1回目が9件、2回目が8件、3回目が6件。急ぎの指摘に限ると、1回目の5件が、最後の回には1件まで減っています。地名の検索や地図の表示では場所の情報が外に伝わるのに「送らない」と言い切っていた、前の計画の内容が次に混ざる、といった所が見つかり、直したり、書き方を正したりしました。

見つかった指摘に、的外れなものはありませんでした。一方で、仕事が軽くなるかという問いは、3回とも点検の対象の外でした。

見送った理由は、調べる仕事が人に戻っていたこと

完成したアプリを開いて、入力を始めてすぐに分かりました。いまのやり方より、手間が増えるだけでした。

私の場合、空撮の計画づくりは Claude Code に任せています。飛行計画の段取りをスキルとして入れてあるので、伝えるのは撮影したい場所だけです。場所がどんな土地か、どこへ連絡すべきか、その電話番号、電話で話す内容までを、AIが下調べしてそろえます。人がするのは、内容を見て決めることと、実際に連絡することです。

いつものやり方とアプリで、場所の調査・窓口探し・台本づくりを誰がしているかを比べた図

アプリでは、この「調べる」「探す」がすべて入力欄になっていました。AIが受け持っていた仕事を、画面の形にして人へ渡し直していたのです。

会社で Claude Code にアプリ開発を任せるときに決めておく3つ

この経験を会社の場面に置き換えると、作る前と採用する前に、誰が何を確かめるかを決めておくことが大事だと考えています。

1. 頼む前に、現場の担当者から「いまの段取り」を聞く

アプリを作らせる人と、それを毎日使う人は、会社では別の人であることが多いはずです。比べる材料になる「いまのやり方」を知っているのは、使う側です。Claude Code に頼む前に、現場の担当者から、どこに時間がかかっているか、どの部分をすでにAIに任せているかを聞いておきます。

2. 採用を決めるのは、点検の結果ではなく現場の担当者

AIによる点検は、壊れる所を見つけるのに向いています。一方、楽になるかどうかは、その仕事をしている人が、いつもの題材で触ってみて初めて分かります。点検に通ったことを採用の理由にせず、担当者が触ったうえでの判断を待つ。点検を重ねるのは、その判断が出てからでも遅くありません。

3. 「アプリにしない」を選べるようにしておく

作り始めると、やめる判断はしにくくなります。最初から「調べ物の担当が人に戻るなら作らない」といった、やめる条件を一つ決めておくと、見送りやすくなります。

アプリにしないという選び方

今回、アプリは公開せずに止めました。代わりにいま考えているのは、Claude Code そのものを仕事の道具として据える形です。

担当者の資格、持っている許可、その更新の時期などを Claude Code に覚えさせておき、新しい依頼のたびに、AIが必要なことを調べて一緒に進める。決まった欄を埋めるアプリよりも、仕事ごとに違う「調べる」をAIに任せられるぶん、担当者の手元に残る作業を少なくできるのではないかと考えています。これから実際に試していく形です。

すべての仕事がこの形に向くわけではありません。毎回同じ項目を同じ順で入れる仕事なら、アプリのほうが合うこともあります。どちらが合うかは、いまのやり方と並べてみて決めます。

まとめ

Claude Code でのアプリ開発は、作るところまでは日本語の指示で進められます。だからこそ、頼む前に現場から「いまの段取り」を聞き、採用は現場の担当者が触って決め、やめる条件も先に置いておく。そうすると、点検に通ったのに使われないアプリを、作ってから見送ることを減らせます。

AIに任せる仕事と人が持つ仕事の分け方から、ご相談いただけます。お問い合わせからお気軽にどうぞ。

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この記事を書いた人

クリュープラス株式会社 代表取締役。群馬県伊勢崎市を拠点に、ドローン空撮とWebマーケティングを行っています。一等無人航空機操縦士。2016年から沖縄の離島を中心にドローンを飛ばし、飛行は200時間以上、事故はありません。Kindleで『言葉が変われば、単価は変わる』と写真集『青と白と緑』を出版。YouTube「drone islands」で、空から撮った日本の景色を公開しています。

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