構造化データは、入れてあるかどうかではなく、そのページに合った型が入っているかで決まります。
ここに挙げる3つの穴は、どれもエラーが出ません。構造化データ自体は、正しく出力されています。だから何年でも気づけません。
確かめる方法は、どれも数分で終わります。難しいのは技術ではなく、疑うことのほうです。
2026年9月に弊社自身のサイトを点検して、実際に見つけたものです。特別なサイトではありません。構造化データはきちんと入っていました。
穴① よくあるご質問のページが、FAQPage になっていなかった
弊社の「よくあるご質問」のページには、質問と答えが13組並んでいます。
構造化データを確かめたところ、出ていたのは Organization / WebSite / WebPage / Article / BreadcrumbList。Q&Aのページなのに、FAQPage がありませんでした。
何が起きるか
FAQPage が入っていると、検索結果に質問と答えがそのまま展開されることがあります。入っていなければ、ただのページとして扱われます。ページの中身は同じでも、検索結果での見え方が変わります。
なぜ気づけないのか
- エラーは出ません。構造化データは正しく出力されています。ただ、型が違うだけです
- プラグインの設定画面には「このページはFAQです」という項目がありません。設定していないのではなく、設定する場所がないのです
- 画面の見た目は何も変わりません
穴② 固定ページだけ、パンくずの構造化データが無かった
次に、ページの種類ごとに構造化データを並べて比べました。
| 投稿(記事) | Organization / WebSite / WebPage / Article / BreadcrumbList |
| 固定ページ(料金・実績など) | Organization / WebSite / WebPage / Article 🔴 BreadcrumbList が無い |
| カテゴリの一覧 | Organization / WebSite / CollectionPage |
投稿には入っているのに、固定ページには入っていませんでした。
パンくず(BreadcrumbList)は、検索結果でURLの代わりに「ホーム › 料金」のような道筋を出すためのものです。料金のページや実績のページは依頼を決める直前に見られるページなので、ここが抜けているのは惜しい状態でした。
なぜ気づけないのか
1ページだけ見ても分かりません。投稿を見れば入っている。固定ページを見ても、他の型は入っているので「入っている」と思ってしまいます。種類ごとに並べて比べて、はじめて欠けが見えます。
穴③ 構造化データを作ろうとして、本文の穴が見つかった
🔴 これがいちばん大きい穴でした。
FAQPage を作るには、質問と答えの両方が要ります。そこで本文から「見出し=質問」「その下のテキスト=答え」を機械で拾いました。
結果、13問のうち6問は、答えのテキストが空でした。
質問の見出しだけが並んでいて、その下に何も書かれていない。しかもその6問は、申込の期限・支払いのタイミング・キャンセル料・納期——つまり依頼を決める直前にいちばん知りたいことばかりでした。
なぜ気づけないのか
- エラーは出ません。見出しだけの状態を、WordPressもテーマも問題として扱いません
- 画面では「見出しが並んでいる」ようにしか見えません。ざっと眺めても、答えが無いことに気づきにくい
- 🔴 見つけたのは、機械に答えを拾わせたときです。機械は空を空として返します。目で見るのとは違います
構造化データを作ろうとしたことが、本文の点検になりました。これは副産物ですが、いちばん実害のある発見でした。
確かめ方(どれも数分で終わります)
1. そのページに何の型が入っているかを見る
ページを開いてソースを表示し、application/ld+json を探します。その中の "@type" が、そのページに入っている型です。
見るのは「入っているか」ではなく「そのページの中身と合っているか」です。Q&Aのページなら FAQPage、手順のページなら HowTo、商品なら Product。
2. ページの種類ごとに並べて比べる
投稿・固定ページ・カテゴリの一覧を、それぞれ1つずつ開いて型を書き出します。並べると、どれか1種類にだけ無いものが見えます。1ページだけ見ていては分かりません。
3. 中身を機械に拾わせてみる
構造化データに入れる値(質問と答え、手順、価格)を、本文から機械で取り出してみます。空で返ってくるものがあれば、本文にその情報が無いということです。
Google の「リッチリザルト テスト」と Search Console の「拡張」の欄でも、認識されている型と、必須項目の不足を確認できます。
直したあと
| よくあるご質問 | FAQPage を追加。7問 → 13問(答えを書いたぶん増えた) |
| 固定ページ | BreadcrumbList を追加 |
| 本文 | 空だった6問に答えを書いた。1,035字 → 1,789字 |
FAQPage は本文から自動で作る形にしました。Q&Aを足せば構造化データも増えます。手で二重に管理すると、いつか片方だけ古くなるからです。
⚠ 順位やクリックがどう変わるかは、まだ分かりません。直した日を記録して、あとで前後を比べます。「入れたから効くはず」とは書きません。
そもそも構造化データとは
ページの中身を、機械が分かる形で書き添えるものです。人が読む文章はそのままに、「これは質問と答えです」「これは価格です」という説明を、目に見えない形で付けます。
書き方はいくつかありますが、いまは JSON-LD が主流です。HTMLの中に <script type="application/ld+json"> として置きます。本文のタグを触らずに済むので、あとから足したり外したりしやすい形です。
語彙(どんな型があるか)は schema.org にまとまっています。Google が検索結果の表示に使う型は、Google の検索ギャラリーで確認できます。
おまけ:この記事自体が、4つめの穴でした
この記事は、もともと構造化データの解説と、Rank Math というプラグインの使い方を書いたものでした。見出し22個のうち、半分がプラグインの操作手順でした。
🔴 ところが弊社は、いまそのプラグインを使っていません。
テーマを変えたら、必要な道具が変わった
以前このサイトは、TCD の RUMBLE というテーマで動いていました。そのときは構造化データを Rank Math というプラグインで出していました。
2026年8月に SWELL へ切り替えたところ、テーマ自身が構造化データを出すようになりました。(このページの下のほうで確かめた Organization / WebSite / WebPage / Article / BreadcrumbList は、すべてテーマが出しています)
そこで Rank Math は役目を終え、メタタグの管理だけを SEO SIMPLE PACK に引き継いで外しました。
道具は入れ替わったのに、その道具の使い方を書いた記事だけが、そのまま残っていました。
🔴 プラグインを外しても、データは残る
データベースを調べたところ、Rank Math のデータが 3,202件・24種類、いまも残っていました。
| 残っているもの | rank_math_title / rank_math_description / rank_math_focus_keyword ほか24種類 |
| その中には | 🔴 rank_math_schema_BlogPosting / rank_math_schema_VideoObject =構造化データの設定そのもの |
| 件数 | 3,202件 |
プラグイン本体はもう入っていないので、このデータが読まれることはありません。いますぐの実害はありません。ただ、覚えておくべきことが3つあります。
- 「外した」と「消えた」は別です。プラグインを削除しても、記事に書き込まれた設定は残ります
- もう一度そのプラグインを入れ直すと、古い設定がそのまま復活します
- 🔴 残っていた型の名前から、当時の設定が分かります。
rank_math_schema_BlogPosting= 当時はBlogPostingという型で出していた。いまテーマが出しているのはArticleです。テーマを変えると、構造化データの型まで変わります
🔴 そして、課金は止まっていなかった
この記事を書きながら、もうひとつ分かったことがあります。
プラグインは外したのに、有料の購読が続いていました。
使っていないプラグインの、年に一度の自動更新です。次の請求日は2026年11月。いま気づいたので止められますが、気づかなければ、使っていないものにもう1年ぶん払うところでした。
整理すると、こうなります。
- プラグインを外した → 本体はもう無い
- でもデータは消えていない → 3,202件が残っている
- 🔴 課金は止まっていない → 毎年、自動で更新されている
「外した」と「消えた」と「止まった」は、全部別のことです。道具を入れ替えるときは、この3つを別々に確かめる必要があります。
⚠ 弊社は、3つめに1年気づきませんでした。管理画面にはプラグインが表示されないので、サイトを見ているかぎり、永久に気づきません。気づいたのは、この記事を書くために過去のメールを検索したときです。
テーマを変えたときに、見直すもの
今回の経験から、次の4つを見ることにしました。
- 構造化データを、いま誰が出しているか。テーマか、プラグインか。両方が出していると、二重になることがあります
- 外したプラグインの解説記事が、サイトに残っていないか。これはSEOの問題ではなく、書いてあることと実際が食い違うという問題です
- 外したプラグインのデータが残っていないか。いますぐ困らなくても、入れ直したときに古い設定が動きます
- 🔴 外したプラグインの購読が止まっているか。有料のものは、外しただけでは課金が続きます
⚠ 弊社は、この4つとも見落としていました。テーマを切り替えたのは2026年8月、この記事の中身が実際と食い違っていることに気づいたのは2026年9月です。
切り替えの作業そのものは、全68ページを検査してエラー0で終えていました。それでも、記事の中身までは見ていませんでした。
弊社の考え方
道具を入れることより、入れたものが効いているかを確かめることのほうが大事だと考えています。
今回の3つは、どれも「入れてある」状態で見つかりました。入れた人の判断は、その目的に対しては正しいのです。ただ、入れたあとに確かめる工程が無かっただけです。
アクセス解析についても同じことを書いています(→ 「アクセス解析は入れてあります」――それでも、数字が足りていないことがあります)。こちらは速度改善の設定が解析タグを後回しにしていたなど、やはりエラーが出ない3つの穴の話です。
サイトの点検やご相談はインターネットマーケティングのページ、あるいはお問い合わせからどうぞ。

